
すっかり空気が入れ替わり、空も自然も食べ物も、秋の彩りになりました。
皆様の秋はどんな色になりそうでしょうか?
今回は秋によく見られる赤から想像の翼を広げてみましょう!
どこまでも届く赤
赤という色は、長波長の電磁波がそう見せています。暖かみを感じたり、情熱を感じたり、前向きか後ろ向きかで言うと、前向きな状況を感じる色です。前向きすぎて、嫌われる事もありますが、万人にインパクトの強い色です。
真っ赤な夕焼けも、全部の色(波長)の中で赤の色(波長)だけ目に届いているということなのです。
実は赤を感じさせる波長の電磁波というのは、とても緩い波になっているので地表近くの塵やゴミの多い空気の中をゆる~くすり抜けて目に届いているのです。
紫や青という色は波長が短いので、塵やゴミに当たるとそこで止まってしまいます。目に届いてくれないのです。
夕焼けは、太陽が最後まで送ってくれるさよならの色というわけです。いえ、むしろまた明日会いましょうという約束の色なのかもしれませんね。
遠くまで、遠くまで、明日の約束をして、つるべ落としに日が暮れるようになります。
赤の持っている不思議な力
赤という色は、実験によると心拍数や血圧を上げる作用があることがわかっています。
だから赤を見るとなんだか胸がドキドキするような感覚があるのかもしれませんね。
心拍数が上がるという事は、簡単に言ってしまうと、通常1分間に70回心臓がドキドキするのが、140回くらいになってしまうということです。
もちろん、本当にこれが起こったらかなりのドキドキです。一目惚れくらいの勢いがあるかもしれません。あくまで例えとしてご理解下さい。
70回の心拍で1分だとすると、140回なら2分の勢いですよね。ということは、それだけ時間が早く感じられるという事です。
飲食店などの、お客様の回転率を上げたいお店は、長居されては困るものです。極端な例ですが、30分の滞在で1時間楽しんだと思っていただくためには・・・そうなんです。赤い部屋にしてしまえば良いのです。
ただし、心拍は上がる、血圧も上がるということは、興奮してしまう事でもあるので、落ち着くかどうかは、その人の心臓の強さ次第・・・という事になりますね。


女性を綺麗に見せる色
こんなに相手をドキドキさせるのであれば、この赤を上手に使わないワケにはいきませんね。
80年代に活躍したChris de Burgh(クリス・デ・バー)という歌手の曲に”The Lady in Red”という歌があります。
とてもロマンティックな曲なのですが、どんな事を歌っているかと言うと、(多分)すでにおつきあいしている彼女が、赤いドレスをまとってパーティーに現れた姿を見て、気づいていなかった彼女の美しさにはっとする歌です。
とても素敵な歌詞なので全部紹介してしまいたいのですが、長くなってしまうので、是非、一度聴いてみて下さい。映画やドラマにも使われているので、きっとどこかで一度は耳にした事があると思います。
何となく、この歌を聴いた時に、長く連れ添った夫婦を思い浮かべました。
毎日の生活でオシャレも忘れていた二人が、たまたまパーティーに出かけます。彼女が赤いドレスを着ているのを見て、若かった頃より、時間に磨かれたもっと美しい女性になっていることに気づく・・・まるで映画のようにロマンティックなシーンを思い浮かべてしまいました。
一番盛り上がるところをざっくり訳すと、こんな感じです。
頬と頬を寄せ合って踊る赤いドレスの君
君と僕、他には誰もいない、ふたりだけでいたいんだ
こんなに美しい君がそばにいたことに気づかなかった
決して忘れないよ、こんなに美しい今夜の君を
赤いドレスではなかったにしろ、誰にでも、こんな素敵な夜があったのではないでしょうか?
この歌を聴いていた頃、まだ若かった私は、そんな素敵な夫婦になることを夢見ていました。
年を経ても、素直なココロと、ちょっとした勇気を持ち続けていられるご夫婦。素敵なお家のリビングで、この曲で踊ってみるのもいいかもしれませんね。上手に踊れなくても、優しく揺れるだけでも素敵だと思います。
肌が触れ合うのは、とてもココロを癒します。日本人は恥ずかしがり屋なので、レストランや、初めての場所で踊るなんて、恥ずかしくてできないかもしれません。でも、お家ならどうでしょう?きっとできると思いますよ。
蛇足ですが、赤いドレスが際立った映画といえば、プリティーウーマンという作品がありました。その中でも、とりわけロマンティックな場面はパーティーに出かけるシーン。
その時、この映画が出世作になった主演のジュリア・ロバーツは真っ赤なドレスを着ていました。
まさに Lady in Red。息を呑む美しさでした。


赤は血色を良く見せて顔映りも良いので・・・なんてつまらない説明などなくても、女性は赤をまとうと、ミステリアスに、華やかになるものなのかもしれませんね。
ただ、使い方が難しい色なので、ご自分で一番よいバランスを見つけられる事をおすすめします。いきなり真っ赤は難しいので、暗めの赤や、ワインレッドなどの落ち着いた赤から始めるのも良いかもしれません。
日本が世界に誇るものの一つに漆塗りの技術があります。英語では漆塗りの器のことをjapanと言います。磁器の器をchinaと呼ぶのと同じです。
どうしても漆器=お正月のような印象がありますが、普段のお食事でも赤の漆器に緑のお料理を盛ると美しいですね。
実はこれにはちゃんと生理的な理由がありまして、目の構造から言っても、赤と緑はお互いを欲する色なのです(心理補色、または補色と言います)。
赤をじっと見て白い紙の上に目を移すと、青緑のような残像が見えます。人間の目に備わった機能なので、これはほとんどの人に起こる現象です。
きれいに茹でた青物を赤い漆器に盛ると、ますます美味しそうに見えます。美味しさは目からも感じられます。美味しいものをお料理したら、そのお料理を引き立てる器に盛ってあげて下さい。


寒さを感じる季節になって参りました。赤は使いすぎると疲れてしまいますが、ポイントで使うと引き立ちます。お花を飾る時、お料理を盛る時、そしてオシャレをする時、遊び心をもって赤を楽しんで下さい。
赤い口紅も派手すぎて敬遠されがちですが、赤い口紅を塗った後に、茶色やベージュなどを塗ると、地味すぎないけれど、少しだけ華やかな印象が残ります。ぜひ試してみて下さい。
これから皆様に訪れる秋が素敵なものになりますように。
株式会社LCS 代表取締役社長 石川ジェインちはる先生 ご紹介
慶応義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻卒業
大手化粧品会社ファッション研究所にて消費者マーケティングレポートの作成、企画営業等を経て大手出版社編集部に中途採用され、編集者として創刊号・2号に携わる。
退社後二人の娘を得て主婦としても14年の研鑽を積み、その間大手英会話教室のホームティーチャーとして5年にわたり3歳から70歳までの方に英語を教える。現在、株式会社LCS代表取締役として、英語をはじめ、お料理教室や起業支援のスペースレンタルなど、生活を楽しんで生きる人を応援中。静岡県磐田市在住。
Facebook:https://www.facebook.com/LCreators
リフォームコーディネートも
お任せください!