
言うならば、ヴィヴィッド・トーンが青春に踏み込んだばかりの若者のイメージだとしたら、ストロング・トーンはその若者が青春の悩みを抱えて少し大人になったイメージです。新入社員が社会に踏み出し、様々な経験を経て少し大人になった様と言えば良いでしょうか。明るいだけではない大人の強さを持った色です。今回はこの色を探検してみましょう。
「力強さ」とは・・・

Vivid toneとの区別が難しい色ですが、一点の曇りもなくその色そのものを表していたヴィヴィッド・トーンに比べ、少しだけ灰色(白+黒)が混ざった色です。
光(白)も陰(黒)も少し増して、その色そのものだったVivid toneよりもいわば大人になった色とも言えます。
純粋さというのは、その純粋さ故に素晴らしいものでもあるのですが、時に危険もはらみます。
例えば、素直であるのは良い事なのですが、素直すぎると他人に利用されたり、侮られたりします。また、隠すべきことを隠す事ができなくて、問題をこじらせてしまうこともあります。
ウソも(というと聞こえはよくありませんが)上手につけるようにならなくては、物事のバランスが保てない場合があります。
純粋すぎず、少々のグレーを混ぜるからこそ、元の純粋な色がより強い印象をもって心に残るのでしょう。
力強さとは、清も濁も併せ持っているからこそ、他人を引きつけるモノなのかもしれないと、ストロング・トーンの色達を見ていて思います。
ストロング・トーンとスペイン
ストロング・トーンを見るといつも浮かぶのがスペインのイメージです。
私自身、ヨーロッパではまだスペインを旅した事はありませんが、世界史選択だったこともあって、スペインという国のイメージは、ある程度持っています。
大航海時代に一番乗りし、栄華を極めながら、宗教弾圧や虐殺を行い、大海戦での敗北を機に没落した歴史を持つ国です。
歴史の物語の中では、大抵悪者になるのがスペインです。ゴヤの暗い絵に代表されるような底知れない恐ろしさを持ちながら、南米からもたらされた富に彩られた豪華な国。
ストロング・トーンを眺めていると、そんなスペインのイメージが彷彿されます。
鮮やかなフラメンコのドレスやきらびやかな闘牛士の衣装・・・同じ赤でも、鮮やかさというよりは、深く意志を感じる赤、そんなイメージがこの色達には似合います。
美しい彫りの深い顔立ちを彩る黒髪、よく灼けた肌に似合うのがストロング・トーンです。ヴィヴィッド・トーンでは浮き上がってしまうところを程よくまとめる事ができるのは、このトーンにグレーが混じっているからでしょう。
特に男性が着る事のできる鮮やかな色かも知れません。大人が着ても派手すぎない鮮やかな色、とでも表現すればよいでしょうか。是非夏のアイテムに鮮やかな色を加える時は、このストロング・トーンで挑戦してみて下さい。
白と使うと、原色の持つ楽しさが強調されます。
グレーと使うと、原色の持つどぎつさのようなものが洗練された印象に変わります。
それぞれ目的にあった使い方をしてみて下さい。
夏の季節を彩るストロング・トーンの花
春の淡い色の花々が盛りを過ぎると、初夏へ向かってストロング・トーンの花々が咲き始めます。文字通り強い調子の色ですので、そればかり集めると花壇が賑やかすぎてしまいがちです。
白や淡い黄色、また優しい葉色の植物と合わせたりすると、賑やかすぎないステキな寄せ植えにすることができます。
無難なところで同系色、そこに白やシルバーカラーの葉色の植物などでバランスをとったりすると綺麗にまとまります。
ステキなお家にはステキなお花が咲いていてほしいものです。
花壇の奥には背の高い花、手前には丈の低い花というように高低差にも気をつけると、お手入れもしやすく、センスの良い花壇になると思います。これから忙しくなるハチや蚊などの虫には十分気をつけて作業なさって下さいね。


トーンを上手に活かして大人の配色を
大人になって強い色調の色を着るとなると、少々勇気がいるものです。
そうはいっても淡い色調のものばかりでも子供っぽくぼやけた印象になってしまいますし、黒やグレーといった暗い印象のものばかりでも、何だか老けた印象になってしまいます。
グレーや黒は使いやすい色ですが、地味な印象になるのは否めません。
ここに上手にストロング・トーンのようなインパクトのある色を持ってくると粋な印象になります。
豊かさや豪華さはただ落ち着いているだけでは表現しにくいものです。
落ち着いた中にも元気さを表現するのにストロング・トーンは最適です。
程よく落ち着きながら、元気さも失わない。こんなチャーミングな大人を色を上手に使って演出してみて下さい。
初夏の強い日差しを受けても大人の落ち着きのあるストロング・トーンでイキイキした毎日を!
株式会社LCS 代表取締役社長 石川ジェインちはる先生 ご紹介
慶応義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻卒業
大手化粧品会社ファッション研究所にて消費者マーケティングレポートの作成、企画営業等を経て大手出版社編集部に中途採用され、編集者として創刊号・2号に携わる。
退社後二人の娘を得て主婦としても14年の研鑽を積み、その間大手英会話教室のホームティーチャーとして5年にわたり3歳から70歳までの方に英語を教える。現在、株式会社LCS代表取締役として、英語をはじめ、お料理教室や起業支援のスペースレンタルなど、生活を楽しんで生きる人を応援中。静岡県磐田市在住。
Webサイト:https://life-cs.co.jp
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