
食欲の秋がすぐそこまで来ていますね。これから冬にかけて、食べ物が美味しくなる季節です。
食べ過ぎはもちろん良くありませんが、食材を上手に選んで、適量を食べることで、身体も心も美しくなります。
今回は、色と絡めて食べ物を考えていきたいと思います。無形文化遺産に指定されて、世界的に注目を集めている日本食。その日本食は季節の彩りを大切にする食でもあります。
では、色と一緒に食べ物を楽しみましょう!
五色で彩る日本の食
日本の食は旬の食べ物を上手に取り入れてビタミンやミネラル、食物繊維なども上手に摂ることができる素晴らしい料理です。さらに、バランス良く食べるために五色の食べ物を摂ると良いとされてきました。それは、赤、あを(緑)、黄、白、黒の五つの色をした食べ物です。
~赤・あを・黄・白・黒~
赤

これは肉や魚などのタンパク質、人参などの赤い野菜を指します。
赤身の魚、とくにサケには川を遡って卵を産むために海で蓄えた栄養があります。それがあの身の色にもなっているアスタキサンチンです。
これは人参の赤い色(βーカロテン)やトマトなどの赤い色(リコピン)などと同じカロテノイドの一種です。
エビなどの甲殻類の殻や真鯛の体表、サケ科の魚の身に存在すると言われ、高い抗酸化作用を持つことがわかっています。
私たちが日々生きていると何が起こってくるか、それは酸化です。体内でできる活性酸素が人間の身体を老化させるとも言い換えることができます。
これらの赤い食材は、抗酸化作用によって、そういった活性酸素を除去するのに役に立ってくれるのです。
青

日本人は古来より緑と青を「あを」という言葉で表現してきました。青物野菜というように、実際は青くないのですが、みずみずしい緑のことを「あを」と呼んできました。
この青物野菜には各種のビタミンや酵素、食物繊維が含まれています。
旬のものにはその季節に必要なビタミンや栄養素が含まれています。これを上手に献立に入れることで、その季節に身体が必要とする栄養を取り入れていきましょう。
黄

卵や大豆製品(油揚げ、きな粉など)みかんなどの果物は黄色に分類されます。卵は完全栄養食と言われており、摂りすぎなければ髪の毛や肌にも良いと言われています。
ちなみに「卵は一日に2個まで」といった摂取基準を発表した研究がありましたが、実はあれは草食動物であるウサギを使った実験だったので、普段食べない卵を食べさせられた草食動物として障害が出たのだということが明らかになりました。
もちろん食べ過ぎはいけませんが、毎日10個も20個も食べなければ、あまり神経質になることはないようです(もちろん何か病気をお持ちで、食事制限をされている方は別です)。
また大豆製品は言わずもがなの万能選手。女性の味方の食材と言っても過言ではありません。
女性に不足しがちな鉄分・カルシウムを豊富に含んでいる上に、植物性タンパク質や腸をキレイにしてくれる食物繊維も含んでいます。
豆腐やきな粉だけでなく、醤油や味噌といった発酵食品の原料であるのも大豆なのです。
最近とくに注目されてきている発酵食品。日本食を世界に特徴づけている理由の一つでもあります。
私たちの祖先が風土に合わせて作り出してきてくれた素晴らしい食材を、上手に取り入れて行きたいですね。
ゆずやみかんなどの柑橘類も黄色に分類されます。黒や赤などの漆の器に盛られた食べ物に鮮やかな色彩を加えるものとしても活用できますし、ゆずなどは爽やかなのにどこかに苦味を感じる独特の香りを料理に添えてくれますね。このような柑橘類はストレス解消に欠かせないビタミンCを与えてくれます。
白

白米や豆腐、イモ類などは白に分類されます。
最近では白い食材(白米・白砂糖などの精製された食材)は、精製過程で発がん物質が生じたり、もともとあったミネラルや食物繊維などの栄養を取り除いてしまったものとしてあまり良い印象がありません。こちらは玄米や黒砂糖、全粒粉といったちょっと茶色に寄った食材にすると、大地の栄養をきちんといただけるように思います。
しかし、白い食材が全て悪いわけではありません。
豆腐やイモ類では、ビタミンも食物繊維も豊富です。特に豆腐は、鉄分やカルシウムも含んだスーパー食材です。ファイトビタミンのビタミンB群も豊富に含んでいます。冷たくしても温かくしても美味しいこの食材を逃す手はありません!ただし、他の食品と共にバランス良く取り入れましょう。
黒

これは私の個人的な意見ですが、日本食を世界でも特色ある料理として特徴づけている一番の理由は、実はこの黒い食材なのではないかと思っています。
ゴマや昆布、海苔や醤油に椎茸、ヒジキ・・・食事に黒い食材を使うというのは、他の料理ではなかなか見ませんね。もちろん、フランス料理のトリュフ、中華料理のピータンなど、黒い食材はどの国の料理にも少しはありますが、料理の味のベースになっていたり、黒い食材のみを多用する調理法は、やはり日本食の特徴だと思います。
近年昆布の持つ「うまみ成分」が世界的に注目されています。甘い・しょっぱい・辛い・酸っぱい・苦いといった五味に加えての「うまみ」なのです。
これが日本食の独特のコクや美味しさを生み出しているとも言えます。さらに、ゴマに含まれるセサミン、海苔に含まれるβカロテンなども、注目の栄養素ですし、ヒジキに含まれる鉄分や日本食の要である醤油は、万能うまみソースとして今後益々世界で評価されることと思っています。
美味しさと色の関係
食べ過ぎないために、でも美味しく見えるために
五色の食べ物の素晴らしさが伝わったところで、食べ過ぎや、食欲不振、はたまたダイエットといった食欲のコントロールに色が活用できることにも触れておきましょう。
寒色系

青緑から青、さらに青紫くらいまでを冷たさを感じる色として寒色と呼びます。
これらの色は色彩心理の効果として食欲を抑える効果があると言われています。
青いお皿や青紫の器に料理を盛ると、食べ過ぎを防いでダイエットにも役立ちます。
ただし、柑橘系などの黄色からオレンジの色の食べ物をのせると、補色効果で非常に際立って見えます。おもてなしの際には柑橘系の果物は青いお皿に盛ると美しく見えます。
暖色系

赤からオレンジ、さらに黄色くらいまでを暖かさを感じる色として暖色と呼びます。見ているだけでも楽しくなってくる色ですが、これらの色は食欲増進効果があると言われています。
あまり食欲のないときは、器を黄色のものにしてみたり、赤い柄のお皿に盛ったりするのも良いかもしれませんね。
こちらも補色効果で、サラダなどの緑のものをのせると、美味しそうにイキイキして見えます。
ピンク

ピンクがどうして食欲と関係あるの?と思われるかもしれませんが、
ピンクには食べ物を甘く感じさせる効果があります。砂糖を控えめに作ったお菓子などは、ピンクのお皿に盛って出すと、実際よりも甘く感じて砂糖の摂取量を抑えることができます。さらに、少ない量で充分甘く感じて食べ過ぎを防いでくれますね。
漆の黒・赤

日本食は漆器を食器に使います。他の国では、真っ黒の食器というのはあまり見かけません。
西洋では黒というのはもともと忌むべき色で、食事に使う色ではありませんでした。
日本食が素晴らしいのは、器に漆塗りの黒や赤を使うことによって、その上にのせる料理を際立たせ、その対比の美しさと潔さをドラマティックに演出したことにもあるように思います。
西洋の黒=悪のイメージが入ってくるまでは、黒は金と並んで最も華やかな色でした。
黒と赤という鮮やかな色との対比の中に日本の四季折々の美しい食材を潔く盛る。
なんとも粋ですね。
From e-cooking club
幼馴染のなごみ系凄腕シェフと一緒に、簡単で、健康にも良くて、普段の材料でも作れるプロの味をご紹介しているe-cooking club。
そこから簡単なレシピの一部をみなさまにご紹介して行こうと思います。
レシピは簡単なのですが、プロの技は実際にご参加いただいかないとお伝えできないのが残念なところです。
ちょっとした切り方や盛り付け方などは、ぜひレッスンに参加されて体験してください。
https://www.facebook.com/ecookingclub
かぼちゃと豆乳のほっこりティラミス
ティラミスといえばココアとチーズにほんのりコーヒーの香りが・・・というのが定番ですよね。
そこを和風にアレンジするのがe-cooking!
ビタミン豊富なカボチャを使って、新しいティラミスを提案させていただきます!
材料(4人分)
- カボチャ(ペースト) 200g
- 豆乳 200cc
- 練乳 大さじ4~5
- マスカルポーネ 100g
- サワークリーム 50g
- 粉寒天 小さじ1/4
- 黒蜜 適量
- パン粉 適量
*きな粉・ココアパウダーは、お好きな量でどうぞ。
作り方
- パン粉と黒蜜を混ぜ、よくなじませて器の底に敷く。
- 生のカボチャを使用する場合は、皮をむき、小さめに刻んでおく。
- 鍋に豆乳と粉寒天、カボチャ(ペースト)を入れ、火にかける。
- かき混ぜながら沸騰させ、火を調整し、そのまま1分ほど混ぜ続け、火を止める。
生のカボチャを使用する場合はカボチャが柔らかくなったらミキサーにかける。 - マスカルポーネ、サワークリームを入れてよく混ぜ、練乳で甘さを調節する。
- パン粉を敷いておいた器に入れ、冷蔵庫で冷やしておく。
*食べる前に、きな粉やココアパウダーをふって食べる。
raram facit misturam cum sapientia forma.(ラテン語)
rarely are beauty and wisdom found together.(英語訳)
美しさと賢さが兼ね備わっていることは稀(まれ)である。(日本語訳)
なかなか厳しいお言葉ですね。ただし、今は21世紀。美しくて賢い人も物もたくさんあります。
9月の終わりから10月にかけては12星座の中でも美人が多いと言われる天秤座の期間です。
私にも天秤座の友人がおりましたが、美しくかつ賢い人でした。天は二物を与えるものなのだなあとしみじみ思ったのを思い出しました。
また、美しいものは機能的に優れているものが多いのも事実です。iPhoneもデザインの細部にわたって考え抜かれ、美しさを追求したからこそ、あんなに世界中に受け入れられたのだと思います。
稀であるからこそ、素晴らしさが際立つのかもしれません。
芸術の秋、美しく賢いものを探すのも良いかもしれませんね。
また次にお会いするまで、皆様に素敵な毎日が訪れますように。。
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慶応義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻卒業
大手化粧品会社ファッション研究所にて消費者マーケティングレポートの作成、企画営業等を経て大手出版社編集部に中途採用され、編集者として創刊号・2号に携わる。
退社後二人の娘を得て主婦としても14年の研鑽を積み、その間大手英会話教室のホームティーチャーとして5年にわたり3歳から70歳までの方に英語を教える。現在、株式会社LCS代表取締役として、英語をはじめ、お料理教室や起業支援のスペースレンタルなど、生活を楽しんで生きる人を応援中。静岡県磐田市在住。
Webサイト:https://life-cs.co.jp
Facebook:https://www.facebook.com/LCreators