
今まで慣れ親しんできた環境から新しい場所へ移動する方も多いのではないでしょうか?少し寂しいですが、こういうときこそさまざまなものを整理する良いチャンスです。
そうは言っても、ここをどうやって整理したらいいの?という声が聞こえてきそうですね。この世の中に変わらないものなど一つもありません。実は大抵のことは変えることができます。
変わらない、変えられないというのは、人の心が決めることです。
今年こそ良いチャンスと思って、今まで変えられなかったことを変えてみてはいかがでしょう?その際に大切になってくるのは「捨てる」ということです。
「捨てる」というと、今までの何もかもを全部ゴミ箱に捨ててしまうようなイメージを持たれやすいのですが、「捨てる」ことをしないと、そこには新しい何かが入ってくる余地がなくなります。
新しい何かを迎えるために、自分の周りにあるものをもう一度見直すこと。
モノや人やコト、全てにおいてもう一度自分にとって何が大切で、何が必要なのかを見直すことでもあります。
かのアインシュタインの名言に「いかなる問題も、それを作り出した同じ意識によって解決することはできない」という一言があります。
ずっと捨てたかったのに捨てられずにいたものと、もう一度向き合って考えてみませんか?
「捨てる」ためには、捨てられないと思っていた意識そのものを変える必要があるかもしれません。今回はそのために必要な幾つかのポイントをお伝えしようと思います。
それは自分のモノですか?他人(家族)のモノですか?
実は、一番大切なのはここです。捨てたいモノは自分のモノなのか、それとも家族のモノなのか。これによって対処法や準備や時間が変わってきます。
自分のモノを捨てるのはとても簡単です。自分の心を切り替えて、見方を変えればすむのですが、家族のモノを捨てるのは、それはそれは面倒で、時間がかかるのです。
大抵のモノが、捨てられずに困っているのは、それが「誰のものなのか」がはっきりしないからです。誰に許可を取ったらいいかわからず、とりあえずそのままにしているうちに、捨てるチャンスがなくなってその場に置き続けられる。
まず、捨てたいモノが誰のモノであるのかをはっきりさせましょう。
それがスタートラインです。
捨てたいモノが自分のモノか、家族のモノかがはっきりしたらそこから始めましょう。
捨てたいモノが自分のモノである場合
自分のモノを捨てるのは、実はとても簡単です。なぜならそれは自分の心を決めるだけだからです。
ただ、やみくもに捨ててしまうと、また欲しくなって、前より増えてしまうことも起こりがちです。自分に納得して捨てるために、以下の3つのポイントを確認しましょう。
1:それを使っていますか?
もっともシンプルな判断基準は、捨てたいと思っているモノが、貴方の生活の中で活かされているかどうかというところです。簡単に言えば「使っているか、使っていないか」です。
- 最後にそれを使ったのはいつですか?
- 2年以上前から一度も使わなかったモノはありませんか?
もし2年以上も使っていないモノがあるならば、残念ですが、それはもう今の貴方の生活には必要ないモノです。
モノは、貴方の手元に届くまでにたくさんの人の手を経て来ます。役に立って初めて、その人々がモノに込めた「誰かの生活の役に立つように」という願いが叶います。
置かれているだけ、持っているだけでは、そこにモノの活躍する場はありません。
必要とされている場所へそのモノを届けるか、そのモノを使えるようにするか、どれも出来ないのなら「ありがとう」と伝えて捨てましょう。
簡単な例を挙げてみましょう。
- おうちにハサミは何本ありますか?
- 使っていないハサミはありませんか?
- 本当に必要なのは何本なのでしょう?
よく考えてみてください。答えは1本です。どんなに多くても1部屋に1本です。よく切れるものがあれば足りますね。1部屋にに1本ならば、その1本を大切に使うようになるのは言わずもがなです。
2:それがないと困りますか?困りませんか?
洋服ダンスの中がいっぱいで、どうしたらいいかわからない…そんな時、よく考えてみてください。まず先ほどの2年間で何度使ったかを考えます。1度もなかった場合、まず第一のチェックが入りました。
次はそれがないと困るか、困らないかというところで考えます。
同じような形のTシャツが何枚もあった場合。そのTシャツがないと困るか困らないかを考えます。
新しい順に、型崩れしていないものが3つもあれば、コトが足ります。
いただいたお土産など、捨てるのに難儀するものも、それがないと困るか、困らないかで判断すると、結構シンプルに捨てる方を選べたりします。
ただし、喪服のように、急に必要になるモノもあります。そんな時は最低でも2年に1回、着られるかどうか確認してみることにしましょう。
何年もどこかにしまわれていてすっかり忘れられてしまっていたもの。これは困らなかったものです。すぐに使えるなら使いましょう、そうでなければリサイクルに出すか、処分しましょう。
3:それがあることで幸せになりますか?なりませんか?
上記の2つをクリアしたモノがあったとします。使っていて、ないと困るものは必要なものです。これから先も良く手入れしてお使いください。しかし、使っていなくて、それがなくても困らないモノであった場合、それでもまだ捨てることができないのなら、最後はここで判断です。
「それがあることで幸せになりますか?それともそれがあることで気持ちが暗くなったり、イライラしたりして、幸せではなくなりますか?」
貴方の人生は貴方のものです。幸せになるのか、不幸せになるのかを決めるのも自分です。それがあることで幸せな毎日を送れないなら、それは貴方の毎日にとっていらないものです。何かのご縁で自分のところに来てくれたモノですが、感謝してお別れしましょう。
見るたびにイライラするのであれば、思い切って捨てましょう。自分のモノなら、決めていいのです。
捨てる時は胸が痛むかもしれません、ちょっとした罪悪感を感じるのかもしれません。でも、それがあることで幸せになれないのなら、捨てることをおすすめします。
今日は2度来ません。昨日をやり直すこともできません。でも、明日は変えられます。今決めることで、明日はもっと幸せになります。
捨てるのがもったいないですか?
いいえ、それがあることで幸せになれないほうがずっともったいないことです。
ずっと困っているものがあったのなら、よく考えて、今まで挙げた3つに当てはまる場合は勇気をもって捨てましょう。
捨てたいものが家族のものである場合
捨てたいものが自分のものではないモノのときに、一番厄介なのはその持ち主に捨ててもいいか確認を取ることです。
でも、これをせずに勝手に捨ててしまうと、大抵問題が起こります。
自分にとってはいらないモノが、その持ち主にとっては宝物だったりするからです。
ここでその持ち主に納得してもらえないまま勝手に捨てると、人間関係までも捨てることになりかねません。
高齢の方の場合、そのモノがなくなることで、認知症を引き起こす可能性もあります。
自分以外の人のモノを捨てる場合、まずは以下の3つの手順を踏むのが安全です。
またこの手順を踏むことで、持ち主にそのモノとの関係をもう一度見直してもらうきっかけを与えることになります。
相手がそのモノを客観的に見る機会を与えることで、ずっと放っておかれたそのモノが、相手の生活にはすでに必要ないモノだったことに気づいてもらえます。
あとは、相手に決断してもらうことです。なるべく押し付けず、相手が納得してくれるまで待ちましょう。
1:持ち主にとってどんな思い出があるのか
まず、貴方が捨てたいと思っているモノが、その持ち主にとってどんな思い出のあるものなのかを聞いてあげましょう。話を聞くことで、貴方もそのモノに対して共感できるかもしれません。もし共感できなかったとしても、思い出を共有して、大切に扱うことができるかもしれません。
他人に自分のモノを捨てられるというのは、自分の存在がぞんざいに扱われたような気持ちになります。相手を思いやって、大切にしている上で、これはもう必要ないとわかってもらうために、まず相手の気持ちに寄り添いましょう。
他人のモノを捨てるというのは、時間も労力も倍かかります。でも、それがあることで貴方が幸せになれないのなら、幸せになるために頑張ってみてください。まずは相手の気持ちに寄り添うところからです。
2:そのモノを使うつもりがあるのか、もう使わないのか
ひとしきり思い出を話してしまって、その思い出を共有できると、少し心が落ち着きます。
そのモノを今後使うつもりがあるのか、それとももう使わないのかを決めてもらいましょう。
私事ですが、昨年母を亡くし、私も未だ片付けの真っ最中です。
整理収納アドバイザーからすると、我が家は片付けるところだらけでしたので、片付けても片付けても終わりが見えない状態です。
母が存命だった頃、私が片付けると、とても嫌な顔をされました。多分「1」の「気持ちに寄り添う」のが十分ではなかったのかと思います。
ただ、「これはいつ使うの?」とだけ聞くと、「・・・・のとき」と答えてくれました。
ほとんど使う気がないと思える回答でしたが、「そうなんだ」と返事をしていました。(理由は次の「3」で詳しく述べます)
それでも、私に聞かれたことで、そのモノと向き合い始めてくれたのは感じました。
とても全部は語り尽くせないのですが、使って初めてモノが活きて、モノが喜ぶことを伝え続けるコトが大切なのではないかと思います。
そこがきちんと伝われば、あとはその始末を手伝うだけで、不要なものは消えていきます。
先ほどの母とのやりとりで、母が存命中に処分できたものもありましたが、結局たくさんのものが不要なまま残りました。ただ、お互いに、そのモノが必要なのか、あまり必要でないかは明確になりました。
3:それがないと幸せでなくなるかどうか
前述した母とのやりとりで「そうなんだ」と答えていたのには訳があります。
モノにまつわる来歴を聞いていて、そのモノがどれだけその人(この場合は母)にとって意味があるものなのかを確認しました。少し説得して、それがいらないモノだと理解した上で捨てることに同意してくれたものは処分しました。
モノが捨てられない人というのは、そのモノが自分の歴史の一部になってしまっていて、それがないと自分が自分で無くなるようで安心できないのが理由になっていることが往々にしてあります。それがないと幸せになれないのです。
でも、本当でしょうか?
家中モノだらけで、あちこちにぶつかりながら歩くのと、家の中を何を持っていてもぶつからずに歩けるのと、どちらが良いのでしょう?年齢が上がるにつれ、安全に移動できることが幸せにつながるのは言うまでもありません。
家の中でのつまづきや、何かを取ろうとした拍子に他のものが落ちてきて頭を打ったりするのは、それがきっかけで転倒したり怪我をしたりして寝たきりになり、健康で幸せな老後からは遠く離れた生活になってしまう恐れもあります。
健康で安全な生活はそのまま、その家に住む人の幸せに直結するのです。
そのモノがないと幸せになれないのなら、残しておいてあげることも大切だと思います。人によっては、慣れ親しんだモノがなくなってしまうことで認知症を発症してしまったりするそうです。
ただし、残すにしてもすぐに使えるようにしてしまうのが大切です。いつでも使えるようにしているのに使わないと、それが必要でないことが誰にとっても明確になります。そこで初めて、捨てる気持ちになれるのではないでしょうか。
捨てるというのは、切り捨てるのではありません。もう私の生活の中で関わる必要がなくなってしまったから、別の場所へ移し換えることです。時には別の人の生活の中でなら活きるかもしれません、その場合はリサイクルという形で捨てられます。様々な理由で捨てるしか道がなくなった場合、廃棄という意味で捨てることになります。
そんな時も、最後までモノへの感謝の気持ちをもって捨ててあげることで、罪悪感は減るのではないでしょうか?
結局我が家は、母が亡くなってから、母が会長をしていた地域のコミュニティークラブの皆様に、たくさんのものをもらっていただきました。それに関しては捨てずに済んだことを感謝しています。最後までモノが活きる道が残ったのは、とてもありがたいことでした。ただ、残念ながらそれを上回る量のモノを捨てました。
そこで思ったのは、自分が逝く時は、始末をしてからにしようということでした。
自分の死後に、これはいるのか?これがないと誰かが困るのか?そう思うと、捨てられるものは沢山あります。
皆さんは、本当はそれほどたくさんのモノがなくても幸せに生きられるのです。
本当に大切なのは、昔の栄光が絡みついた、使うか使わないかわからないものではなく、それらを全部含んだ貴方自身だけなのですから。
1年の中でも節目をつけやすい春、勇気を持って踏み出してみてはいかがでしょう。
一歩を踏み出したその先にあるのは、今まで動かせないと思っていたものを動かせて、捨てられないと思っていたモノを捨てられる貴方です。
素敵な春になりますように。
From e-cooking club
幼馴染のなごみ系凄腕シェフと一緒に、簡単で、健康にも良くて、普段の材料でも作れるプロの味をご紹介しているe-cooking club。
そこから簡単なレシピの一部をみなさまにご紹介して行こうと思います。
レシピは簡単なのですが、プロの技は実際にご参加いただいかないとお伝えできないのが残念なところです。
ちょっとした切り方や盛り付け方などは、ぜひレッスンに参加されて体験してください。
https://www.facebook.com/ecookingclub
イチゴの優しい和風クレープ
春を感じる甘いイチゴを、米粉やきな粉を使ったクレープで包んでみました。豆乳を使っているので、女性にも優しい栄養たっぷりです。生地にバターが入っているので、フライパンで焼く時も焦げつきません。くるくるっと巻いてお家でクレープ、やってみませんか?
材料(4人分)
クレープ生地
- 米粉 60g
- きな粉 15g
- 砂糖 25g
- 全卵 2個
- 豆乳 120ccくらいで、生地のゆるさを見ながら調整します
- 溶かしバター15g
中に入れるクリーム
- 生クリーム 100cc
- 砂糖 大さじ1.5
- イチゴ 8?10粒
作り方
- 生クリームは砂糖を入れながら、ツノが立つまでしっかりと泡立て、冷やしておく。
- ボウルに卵を溶き、豆乳、砂糖、溶かしバターを入れ、よく混ぜる。
- 「2」に米粉、きな粉を入れ、滑らかになるまで混ぜる。
- ヘラに付いた生地がひらひらと落ちるくらいに豆乳で固さを調整する。(できれば30分ほど寝かす)
- テフロンなどのフライパン(直径20㎝のもの)を温め、生地を薄く広げて焼く。(火加減は中火~弱火)
- 生地のふちが軽く色づいたら竹グシ等でふちを浮かせ、裏返す。
- 両面が焼けたら、ひっくり返したざるの上などに置き、粗熱を取る。
- 生クリームを絞り袋に入れておく。
- クレープは手巻き寿司のような感じで巻き、中に生クリームを絞る。
食べやすく切ったイチゴを添えて召し上がれ!
※フルーツは、お好きなもので構いませんので、楽しく作ってみてください。
uberrima fides.(ラテン語)
super-abundant faith(or confidence).(英語訳)
超有り余るほどの豊かさ(もしくは信頼)。(日本語訳)
今回捨てること(abandon)を取り上げましたが、とても似ているのに意味が全く違う単語にabundantがあります。こちらは豊穣とか豊かさを意味しますが、発音も綴りもどことなく似ていて、ふとすると間違えそうになります。
自分が求めるabundant(豊かさ)を手に入れるために、勇気を持って不要になったものをabandonする(捨てる)のはどうでしょうか?
いつも目をつぶって本を適当に開けて左手の指がさしたところから選んでいるのですが、今回は思いがけず似たような単語を選ぶことになって驚いています。やっぱり、意味があるのですね。
来月からは映画から素敵な生活のヒントをもらうシリーズが始まります。おたのしみに!
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慶応義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻卒業
大手化粧品会社ファッション研究所にて消費者マーケティングレポートの作成、企画営業等を経て大手出版社編集部に中途採用され、編集者として創刊号・2号に携わる。
退社後二人の娘を得て主婦としても14年の研鑽を積み、その間大手英会話教室のホームティーチャーとして5年にわたり3歳から70歳までの方に英語を教える。現在、株式会社LCS代表取締役として、英語をはじめ、お料理教室や起業支援のスペースレンタルなど、生活を楽しんで生きる人を応援中。静岡県磐田市在住。
Webサイト:https://life-cs.co.jp
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