
第2回目の今回は「Shall We ダンス?」です。
国内でも大ヒットし、アカデミー外国語映画賞も確実かと言われていた名作でしたが、規定により惜しくもノミネートされなかった悲劇の名作とも言えます。
その後ハリウッドでリメイクされ、ハリウッド版でも大ヒットしました。
この映画が公開されたのが1996年ですから20年前の映画になります。
今回大人になって見直してみて、この映画が取り上げた中年の危機と、そこからの幸せな救いに感動しました。
窓を通して人生が変わってゆく主人公を考えます。

幸せなはずなのに幸せじゃないの?
郊外に家を買い、出世も順調、可愛い妻と一人娘という、絵に描いたような幸せを生きる主人公杉山さん。
しかし、映画の最初の頃の彼はどう見ても幸せそうじゃないんです。
人間というのは贅沢なもので、他人からどう見えても自分が幸せだと感じなければ幸せだと思えない生き物です。
この主人公、満たされているはずなのに、どこか疲れています。
彼を見ていると、大学時代の5月病の学生を思い出します。
ただ目標に向かってまっしぐらに進んできて、見事目標を達成したにもかかわらず、次にどこへ行ったらいいかわからなくなって、鬱々としてしまう…まさにそんな状況でした。
ローンは残っているから、それを払いきるのが目標になっているはずなのですが、すでにマイホームに住んでいるのですから、何だかやらなければいけない嫌な宿題を淡々とこなしているような印象さえ受けます。
その彼が、電車の窓からふと見上げたダンス教室の窓に、素敵な女性が立っているのを見つけます。
そこから彼の灰色の毎日に、少しずつ彩が増えていきます。
「恋」と言えばいいのでしょうか。
これは私の持論ですが、日常は「愛」を蝕みます。どんなに激しい恋をして結ばれても、日常を共に過ごすうちに最初のドキドキは薄れて行き、日常の些細なことをするかしないかでもめるようになり恋人なら見なくて済むようなシーンをあれこれ見聞し、そうしているうちに「日常」が愛を蝕んで行きます。
「恋」というドキドキした思いが、消えてゆくのが日常です。ただ、「愛」は蝕まれても「家族愛」という違う形に昇華できれば、さらに続いてゆくのだと思います。
もしくは素晴らしいご夫婦ならばお互いに「恋」の気分を刺激しあって、思い合い、労わり合えるのであれば、日常は「愛」に敗北します。
主人公の場合は幸せと思おうとしていたところに心の隙間が生まれました。
人というのは、先が見えてしまうとつまらなくなってしまう生き物なのかもしれませんね。
先が見えない恋だからこそ、心が生き生きと燃え立つのかもしれません。
妻、驚愕する。
一方、主人公の妻はそれこそ絵に描いたような幸せの中を嬉々として生きていました。
何一つ不安もなく、娘にのろけていると冷やかされるほど、夫のことを信じ切って。
それが、夫の帰りが決まって遅くなるのを怪しんで、探偵に調査を依頼します。
この映画のすごいところは、とても複雑なストーリーをとてもシンプルに見せているところだと思います。簡単に話を作るなら、ダンス教師と主人公の男性を不倫させてしまえばいいのですが、そこにダンスという要素を絡めることで、いやらしさや不自然な感じもなく物語を昇華させています。
しかも社交ダンスという誰もが知っていながら、実はよく知らない世界を扱うことで、様々な笑いを生み出してくれるのですから、脚本も担当した周防監督の才能には感動します。
生身の女性が相手なら、文句も言えるのでしょうが、ダンスが相手では訴えるわけにもいかず、妻はただ怯えながら状況を見守ります。
娘と母親の会話、夫と妻の会話はほとんどリビングルームで行われますが、日本の建売住宅でよくみる間取りの小綺麗なリビングには、いつも白いレースのカーテンがかかっていました。
風に優しく揺れて、それがとても自然で、幸せを感じさせてくれます。
その白く揺れるカーテンが、この家庭の、汚れのない美しい「幸せ」を表しているようでした。
カーテンを抜けて
後半、話がどんどん煮詰まってしまって、これはどうなるのだろうとこちらも諦めかけた時、娘の一言が物語を救います。
娘が二人を連れて庭へ出るカメラワークの美しさは20年を経た今こうしてこの物語を取り上げる理由にもなりました。
こんな風に素敵な窓とカーテンの扱いを、日本映画で初めて見たように思ったのです。
この映画の中でカーテンに包まれた家は、ある意味、優しい牢獄のようでした。
何不自由なく、何の脅威もなく、決まったことをしていれば結果が付いてくる。冒険のない優しい牢獄。
でも、それを一歩出ると、新しい世界が開けていたのです。
失敗をするかもしれない、人から笑われるかもしれない、でも明らかに心がときめく冒険の世界。
幸せがいけないのではなく、心のときめきを感じたいと思うことを素直に言えないことが問題を複雑にするのではないでしょうか。
妻と夫の駆け引きのような、相手だけが幸せそうなのが妬ましいとかずるいとか、申し訳ないとか…。
お互いの幸せを願えるのが愛なのではないでしょうか。そんなメッセージを感じる周防監督出色の名作「Shall We ダンス?」、ご家族でご覧になるのは如何でしょう?
余談ですが、この映画には周防監督のキレのいい笑いが随所に散りばめられていて、映画が含む問題の深刻さを、深刻になりすぎることなく、上手に軽い味付けにしてくれていま
す。どれもおかしくて、切なくて、本当に周防監督の思うツボともいえるほど映画に引き込まれてゆくのですが、その中でも主人公の杉山さんの通勤の様子が印象に残ります。
彼は駅から自宅まで自転車で往復しています。奥さんは運転ができるのですが、朝早く出る彼は、奥さんを起こさないように、一人自転車で駅へ向かいます。
寡黙であまり多くを語らない彼は、その自転車通勤の姿で何よりも多くを語ります。
役所広司が演じるこの主人公、20年前に見た時は、彼にしては地味だなあと思ったくらいですが、今見ると、本当に素敵で、上手いなあとしみじみ思いました。
抑えた演技ながら、彼の中の熱い思いが伝わって来る、さすがの名演技でした。
マドンナ役の草刈民代は当時これがドラマ初挑戦でした。セリフは棒読みっぽかったのですが、さすが数々の舞台で主演をこなしたダンサーだけあって物言わぬ演技は素晴らしいものがありました。
彼女の踊りの完璧さが、この映画を嘘っぽくない映画にしてくれたんだと思います。
蛇足になるかもしれませんが、昨年末、たまたま英語のレッスンに来てくださっている方からご招待いただいて、社交ダンスの会にお呼ばれしたことがありました。
キラキラとした夢のような世界で、私も靴を貸していただいて、何曲か教えていただいたのですが、これが楽しいのです!
バレエのように無理な動きではなく、基本は音楽にのって美しく歩くというような感じでした。いつか時間と余裕ができたらやってみたいと思いました。
主人公が夢中になっていった気持ちが、やってみて初めてわかりました。
ご夫婦でぜひどうぞ。これまで以上に仲良くなれることうけあいです。
白いカーテンを考える
風に揺れる白いレースのカーテン。
本当に幸せを感じますよね。ただ、みなさんはどれくらいの 間隔でレースのカーテンを洗いますか?
年末に一回? 半年に一回?
最近は自宅で洗濯できるレースのカーテンがほとんどです。
レースのカーテンはどうしても開ける時に同じところを触りがちです。
洗う前に、その場所を襟や袖口洗い用の洗剤で先に下洗いしてからお洗濯することをおすすめします。
手垢や料理の飛び跳ねなどは、それだけでもあまり美しくないのですが、カビの温床にもなります。油汚れならつまみ洗いで落ちますが、カビが生えてしまって薄黒くなってしまうと、もう強力に漂白でもしない限り、落とすのは難しくなります。
早め、早めの対策で白いレースのカーテンをいつまでも白く保ちたいですね。
ティートリーやレモングラスといったアロマオイルは防カビの作用もあるので、これから雨が増えてくる頃には、気持ちを爽やかにするためにも、ぜひ使ってみてくださいね。
*妊婦さんはアロマオイルを使用する前に必ずお医者様とご相談ください。
From e-cooking club
幼馴染のなごみ系凄腕シェフと一緒に、簡単で、健康にも良くて、普段の材料でも作れるプロの味をご紹介しているe-cooking club。
そこから簡単なレシピの一部をみなさまにご紹介して行こうと思います。
レシピは簡単なのですが、プロの技は実際にご参加いただいかないとお伝えできないのが残念なところです。
ちょっとした切り方や盛り付け方などは、ぜひレッスンに参加されて体験してください。
https://www.facebook.com/ecookingclub
かぼちゃなのにさっぱり!オレンジパンプキンゼリー
実は夏から秋が収穫期のカボチャ、コクがあって美味しいのですが、ちょっとベタベタしたところが苦手という方は、こんなパンプキンゼリーは如何でしょう?
カボチャなのにとってもさっぱりした味は、意外に夏にぴったりです。
材料(4人分)
- カボチャ 100g
- 100%オレンジジュース 400cc〜500cc
- 砂糖 大さじ4くらい
- レーズン 20g
- 粉寒天 小さじ1
- ブランデー大さじ2
- プレーンヨーグルト 適量
作り方
- カボチャは皮付きのまま細かく切る。
- 鍋にオレンジジュース400cc、粉寒天、カボチャを入れ火にかける
- よくかき混ぜながら沸いてきたら、カボチャが煮崩れないように火を弱める
- そのまま混ぜながら、カボチャが柔らかくなるまで煮る。
- 砂糖で甘さを調整し、レーズン、ブランデーを入れて火を止める。
- 器に入れ、冷やし固める。
- 食べる時にプレーンヨーグルトを添える。
今月の幸せをもたらすラテン語の辞書からのメッセージは何でしょう?
militat omnis amans.(ラテン語)
every lover is engaged in a war.(英語訳)
すべての恋人は戦争で婚約する。(日本語訳)
あともう少しの関係というときに、何か「きっかけ」を探すことがありますね。
なにかきっかけがあれば始められると。でもそのきっかけはいつ来るのでしょう?
待つのも大切ですが、時には自分できっかけを作ってみては如何でしょう?
さあ、いよいよ5月、ちょっとだけ勇気を出してきっかけを作りましょう!
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慶応義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻卒業
大手化粧品会社ファッション研究所にて消費者マーケティングレポートの作成、企画営業等を経て大手出版社編集部に中途採用され、編集者として創刊号・2号に携わる。
退社後二人の娘を得て主婦としても14年の研鑽を積み、その間大手英会話教室のホームティーチャーとして5年にわたり3歳から70歳までの方に英語を教える。現在、株式会社LCS代表取締役として、英語をはじめ、お料理教室や起業支援のスペースレンタルなど、生活を楽しんで生きる人を応援中。静岡県磐田市在住。
Webサイト:https://life-cs.co.jp
Facebook:https://www.facebook.com/LCreators