
母のお得意のお菓子で、今ではニューヨークチーズケーキとして知られた二層式のチーズケーキです。スパイスが香るクッキー生地の上に、こっくりしたクリームチーズがあり、さらに一番上にサワークリームがのっています。
このチーズケーキを作り始めた頃はまだニューヨークチーズケーキなどという名称もなく、初めて口にされる方が多かったことから、たくさんの方に大変喜んでいただきました。
母もこのチーズケーキをあちこちにプレゼントで持って行っていたので、「石川さんのチーズケーキ」で通るほどでした。普通に焼くチーズケーキと違って、2種類の乳製品(クリームチーズとサワークリーム)が生地のクッキーの甘さや香りと溶け合って絶妙なコンビネーションを見せるのですが、今回はバニラの香りとサワークリームについて、お伝えしますね。

新大陸からもたらされた永久不滅の香り:バニラ
アイスクリームといえば誰もが思い出すあのバニラの香り。実は南アメリカからもたらされたラン科の植物の種子を発酵・乾燥させて作る香料です。ちなみに花言葉は「永久不滅」。この香りがもたらす幸せは、永久不滅ということでしょうか。
バニラビーンズの精製には手間がかかる
花は1日しか持たないし、その間に人工授粉しないとダメになってしまう上に果実(バニラビーンズ)は、実るのに半年以上かかります。それを何度も発酵と乾燥を繰り返して、いわゆる「バニラビーンズ」になります。
これだけの手間を考えれば一本何百円もするのは当然かなとも思います。19世紀の中頃になるまで、このバニラビーンズの製法はメキシコのトトナコ族が持っていた受粉と製法の技術が最高とされていましたが、フランスがその知識を手に入れてから、世界中に広まりました。
現在ではマダガスカル産の「ブルボン・バニラ」と呼ばれるものが最高級品です。使い方はさやの真ん中を切り開いて、細かい黒い砂のような種をナイフなどでこそいで使います。
生クリームと乳酸菌の幸せな結婚:サワークリーム
最近スーパーマーケットの棚でも普通に見かけるようになったサワークリーム。海外のお料理ではよく使われる材料です。生クリームのコクとヨーグルトの爽やかさをもったクリームです。塩味がないので、どんなお料理やお菓子にも使えます。ヨーグルトだと水っぽくなってしまうため、コクと酸味を加えたいときに最適です。
サワークリームの特徴
- 手軽なディップに!
サワークリームにみじん切りの玉ねぎとお醤油を加えれば、揚げ物などのディップに使えます。はちみつやメープルシロップを混ぜれば素敵なソースに!フルーツのコンポートなどにかけると絶妙な味になります。さらに、変わった使い方では肌に塗布するとピーリング効果があるとか。かのクレオパトが愛用していたとのことですが、お肌の強さに自信がある方はぜひどうぞ。
- 簡単に作れ、高血圧予防や免疫力を高める作用!
サワークリームは生クリームを乳酸発酵させて作るので、生クリームにヨーグルトを混ぜると簡単に作ることができます。牛乳を発酵させたヨーグルトよりもコクがあるのは、牛乳よりも乳脂肪分が高い生クリームで作るから。しかし、生クリームそのものだと高コレステロールが心配になりますが、乳酸発酵したサワークリームなら高血圧予防や免疫力を高める作用、カルシウム吸収を助けるなどの素敵な効果がたくさん!食卓に加えたい食材のひとつですね。
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ニューヨークチーズケーキとして知られた二層式のチーズケーキ
おまたせしました!母がアメリカから持ち帰ってきたレシピです。
2回焼いたり、クッキーを砕いたりと、少々面倒ですが、いえいえ、それをする価値のある美味しさです。材料をカップで測るのも、手軽でいいのですが、今回は参考までにグラム表示ができるものは、計ってみました。レモンを加えたり、ブランデーを加えたり、皆さんのご家庭の味にしていってください。
今回は基本の分量でお伝えします。きび糖を使うと、色が濃いめになります。もっと明るい色が良い場合は白砂糖でどうぞ。
材料(4人分)
■クッキー生地
- グラハムクラッカー(なければお好きなプレーンクッキーでどうぞ) 1.5カップ
- バター 1/3カップ (50g)
- オールスパイス 小さじ1
■中身
- クリームチーズ 220g
- きび糖 2/3カップ(200g)
- 卵 2個
- バニラエッセンス 小さじ2
※バニラエッセンスの代わりにバニラビーンズ1本分でもOK
■上にのせるサワークリーム
- サワークリーム 1.5カップ
- きび糖 大さじ4(40g)
※手早く作るコツは、最初に全ての材料を用意するところから
作り方
作る前の準備
- グラハムクラッカーはフードプロセッサーで砕くか、 ビニール袋の上から綿棒で叩くなどして砕いておく。
- サワークリームときび糖をよく混ぜておく。
※室温に戻すと柔らかくなりますので、よく混ぜてください。 - バニラビーンズを使用する場合はさやに切れ目を入れて開き、ナイフの背などで砂のような黒い種をこそいで取り出しておく。
- 砕いたグラハムクラッカーに溶かしバターとオールスパイスをよくなじませる。
- チーズケーキを焼く型の下に1をしきつめる。
- クリームチーズを室温に戻し、ヘラなどでなめらかにしてから砂糖を加えよく混ぜる。
- 3に溶いておいた卵を少しずつ加えながらよく混ぜる。
- バニラエッセンス(バニラビーンズ)を加え、よく混ぜ、クッキー生地を敷いた型に流し入れる。
- 180度のオーブンで25分くらい焼く。
- 焼きあがったものに、サワークリームときび糖を混ぜておいたものを表面全体に流し入れ、220度のオーブンで7分前後焼く。
※この時、軽く表面をならしておくと綺麗に仕上がります。
※サワークリームが溶けて、型のふちでぶくぶく泡が立ってきたら出来上がりです。
サワークリーム載せ方の失敗例
これでは綺麗に仕上がりません。よく混ぜてゆるくなったものを何箇所かに分けて置き、パレットナイフやゴムベラなどで均等にならします。(そっとやらないとクリームチーズの層がぐちゃぐちゃになります)
実はこれ、私がやらかしました。途中であっついオーブンに耐熱性のヘラを入れて表面をならしましたが、危うく失敗するところでした(汗)。
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「使える小ワザ」:サワークリームDIY
お店で売っているのを買ってくるのが一番手軽ですが、家で作ったものは中身もわかるし安心です。ちょっと消費期限がすぎてしまった生クリーム(純動物性脂肪のもの)があれば捨ててしまう前にこのやり方でサワークリームにしてしまいませんか?
サワークリームって、案外簡単にできてしまいますので、ぜひおためしあれ!
- 生クリーム(200ml)を清潔な容器に入れる。
- カスピ海ヨーグルト(普通のヨーグルトでも可)を大さじ1程度入れ、室温に置いておく。
以上で出来上がりです。 全体が固まったら冷蔵庫で保管してください。シチューやカレーに加えるとコクが深まります。
いかがでしたか? ようやく「秋本番!の肌寒さ」になってきました。さあこれからが食欲の秋、夜が長くなって、 おうちでテーブルを囲むのが嬉しい季節になってきました。 願わくば「美味しい!」の笑顔のそばに、このチーズケーキがありますように。
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慶応義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻卒業
大手化粧品会社ファッション研究所にて消費者マーケティングレポートの作成、企画営業等を経て大手出版社編集部に中途採用され、編集者として創刊号・2号に携わる。
退社後二人の娘を得て主婦としても14年の研鑽を積み、その間大手英会話教室のホームティーチャーとして5年にわたり3歳から70歳までの方に英語を教える。現在、株式会社LCS代表取締役として、英語をはじめ、お料理教室や起業支援のスペースレンタルなど、生活を楽しんで生きる人を応援中。静岡県磐田市在住。
Webサイト:https://life-cs.co.jp
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